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おにぎり家族の美味しいお話し

第3話「海苔って、どうやって育つの?」

おじいちゃん!どっちの方が背が高い?

2人とも大きくなったなぁ。
のり太の方が少し背は高いけど、
みのりも背が伸びたのぉ。
たくさん食べて、元気に遊んで、
ぐっすり寝ている証拠じゃあ!

お兄ちゃん食いしん坊だから、大きいんだね!

そういうみのりも、よく寝るよね!

元気に育つには、
どちらも必要なことなんじゃよ。
2人が大好きな海苔が美味しく育つにも
必要なことがあるのを知ってるかい?

知らない。教えておじいちゃん!

海苔が美味しく育つには、
光、水温、塩分、流れ、干出が必要なんじゃ!

ふーん、なんかピントこないなぁ...
でも何で?

まずは「光」!
光(短波長域)は、海苔が元気に
育つのに良い影響があるんじゃ!
それに胞子の放出にも影響を与えておる。

そうなんだぁ。みのりもお外で
いっぱい遊んでいるから元気なんだぁ!

そして「水温」!
海苔の成長の段階によって
好適水温があるんじゃよ!
糸状体では15℃~24℃、
殻胞子の放出時には18℃~21℃、
そして葉状体になると6℃~16℃
好適水温は、発芽期に高く、
成長するにつれて低くなるじゃあ!

僕だったら1年中暖かいのがいいのになぁ~。
なんか、不思議だね!

次は「塩分」じゃ!
海苔は海水の半分くらいの
塩分(CI 12~18パーミル)の
濃さで元気に育つんじゃよ。
だから、淡水と海水が混ざる
河口域で養殖されておる!

続けて良いかねぇ...

うん!うん!

それでは、「流れ」について話そう!
海水の流れは海苔にとって、
栄養塩類を吸収したり、老廃物を
除去したり、細菌や浮遊生物の
付着を防いだりしてくれる
大切なモノなんじゃよ。かといって
強すぎもダメじゃ!海苔にとって
ちょうど良い流れは1秒間に10~20cm
くらいの流れなんじゃ。

1秒間に10cm~20cmねぇ??
なんか微妙?

そして最後に「干出」じゃ!

かんしゅつ?

そうじゃ。「干出」じゃあ!
海は潮の満ち引きによって
海水面が上がったり、下がったりする。
干出は潮が引いている間に、
干される状態になることなんじゃが、
病気の予防になったり、
さらに柔らかく
美味しくなったりすると
いわれておる。

干されてねえ。だから、
のりはパリパリしてて美味しいんだね!

やっぱり食いしん坊なんだから!

まぁ、海苔のお話はここまでにして、
大人になるには勉強も必要じゃ!
しっかり、遊び、そして学ぶ!
人間も干出が大切じゃな!

干出(かんしゅつ)     :
干潮時に、海苔(のり)養殖の網や岩礁が海水面上に現れ出ること。
光(短波長域)       :
紫外線の有用な作用は殺菌消毒、ビタミンDの合成、生体に対しての血行や新陳代謝の促進、皮膚抵抗力の昂進(こうしん)などがある。
糸状体(しじょうたい)   :
藍藻(らんそう)類のユレモ、コケ植物の原糸体など、細胞が1列に並んで糸状になったものをいう。
殻胞子(かくほうし)    :
貝殻の中でつくられる、葉状体に育つ海苔のタネとなる胞子のこと。
葉状体(ようじょうたい)  :
植物体の体制を二大別した場合、茎と葉がはっきりしている茎葉体に対して、多細胞体でありながら茎葉の区別のないものを葉状体という。
好適水温(こうてきすいおん):
成長にちょうどよい水温のこと。
淡水(たんすい)      :
塩分濃度のきわめて低い水。普通の河川水・湖沼水・地下水など。
パーミル          :
1000分の1を1とする単位。
栄養塩類(えいようえんるい):
生物が正常な生活を営むのに必要な塩類といった栄養分や栄養素。植物プランクトンや海藻などの藻類の増殖を助長する物質。
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