ホーム > おにぎり家族の美味しいお話し > 第5話「海苔ってどうやって育てるの?」

おにぎり家族の美味しいお話し

第5話「海苔ってどうやって育てるの?」

アサガオさん♪
キレイなお花が咲きますように・・・
あっ、ツボミ発見!

みのり!何やってるの?

お兄ちゃん!見てみて!
アサガオにツボミがぁ♪

ホントだ!
みのり、毎日お水上げて世話してたからだね!

うん。
早速、観察日記に書かなくっちゃ!

そういえば…
海苔も誰かが育ててるのかな?

おお!みのりのアサガオ、
ツボミがついたんだね。

ねえ、お父さん!
海苔も誰かが育ててるの?

そうだよ、海苔の漁師さんが大切に育てているんだ。
昔は大部分が自然まかせで収穫していたんだけど、
今はほとんどが漁師さんが「養殖」させているんだよ。

そうなんだ!じゃあ、海苔漁師さんたちも大切に育てているから、
お兄ちゃんがいっぱい食べても無くならないんだね!(笑)

養殖かぁ…よし!僕の自由研究は海苔の養殖に決まり!
だから、もっと詳しく教えて!お父さん!

海苔の養殖は1年間かけて大切に育てていくんだよ。
先ずは春に「糸状体作り」からはじまるんだ。
第2話「海苔って、いつ生まれるの?」
お母さんから習った海苔の成長に合わせて
海苔の養殖は行われるんだ!

カキの殻の中で育つんだったよね!

みのりはすごいね、大正解!
現在は技術がとても進歩して、
海苔の養殖に必要な「フリー糸状体」を
培養によって科学的に増殖させてるんだよ。
そのフリー糸状体をカキ殻に植え付けて
一夏かけて養殖するんだ!

へぇ、海苔にも化学が役にたっているのかぁ。

そう、様々な海苔の研究をしてきたからね。
秋になってカキ殻の中のフリー糸状体が育つと、
次は海苔網に付着させる「採苗」という作業をする。
採苗は2種類あるよ、
カキ殻を海苔網に吊るして行う「野外採苗」と、
成長した糸状体を水槽に入れて網を回転させて行う
「室内採苗」だ。

え~?水槽に入れて回転?
意外と乱暴っていうか…

アハハ、アサガオを大切に育ててる
みのりには、そう思うかな?
こう見えても、海苔も手間暇かけて
大切に育てるところなんだぞ。
採苗の後は、海苔の種を成長に
最適な環境になるようお世話をして
あげるんだ。海苔以外の海藻が
付着するのを防いだり、
芽が強く育つようにね。

そっかぁ、技術だけじゃなくて、
ちゃんとお世話しているんだね!

そのとおり、大切に大切にお世話するんだ。
さて、ここからが養殖の本番!
海苔の芽が出始めたら「本育成」といって、
更に海苔の成長に最適な養殖場(海の中)
に移すよ。養殖場は日本各地にある訳だけど、
それぞれ水深や潮位に差があって海中の環境が違うんだ。
だから、養殖場の個性に合わせて「支柱張り養殖」と
「浮き流し養殖」どちらかの方法で育てる。

ふぅん、海の中って
全国どこでも一緒じゃないんだね。

こうして、手間暇かけて育てた海苔は
11月上旬~4月に収穫するんだよ。
海苔の成長に合わせて美味しく
食べてもらうタイミングで、
数回収穫することを
「摘採」というんだ。
のり太もみのりも
美味しく育ってくれてありがとう!
って気持ちで食べなきゃね!

うわぁ、海苔の養殖って
難しい言葉がいっぱい出てきて
自由研究には時間がかかりそうだなぁ…
みのりー、僕にもアサガオの世話させてー!

お兄ちゃんずるいよ!

養殖(ようしょく)          :
魚・貝・海藻などを池や生簀(いけす)、筏(いかだ)などの施設で人為的にふやし育てること。
糸状体(しじょうたい)        :
藍藻(ランソウ)類のユレモ、コケ植物の原糸体など、細胞が1列に並んで糸状になったものをいう。
フリー糸状体(ふりーしじょうたい)  :
「フリーリビンク(自由生活)の糸状体」略。技術革新により本来ならば貝殻(基質)に穿孔して成長する糸状体を、無基質(フリーリビンク)で培養した糸状体のこと。
採苗(さいびょう)          :
海苔網(あみ)に海苔のタネをつけること。
野外採苗(やがいさいびょう)     :
糸状体ネットまたはビニール袋に糸状体貝殻を配置し海苔綱を上に重ねて、殻胞子付けを行う方法。
室内採苗(しつないさいびょう)    :
水槽に糸状体貝殻を収容する。回転枠などに海苔綱を巻き付け、回転または水平運動によって、殻胞子付けを行う方法。
支柱張り養殖(しちゅうばりようしょく):
支柱を立てて張った網にて養殖を行う方法。遠浅の海で行われる。高品質な海苔の生産に適している。
浮き流し養殖(うきながしおうしょく) :
浮きに吊るしたままで海面下でのりを生長させる養殖方法。水深10~20mの沖合にて行われ、現在の海苔養殖の主流。
摘採(てきさい)           :
海苔を摘み取る作業。
第4話はこちら 第6話はこちら
ページの先頭へ
ページの先頭へ
Copyright© 2001-2014 SHIRAKO CO.,LTD. All Rights Reserved.